個人投資家向けオンライン会社説明会 質疑応答要旨
※以下は質疑応答の内容を要約したものです。
【質問1】
今後のM&Aの戦略の方針について、教えてください。
【回答】
前期は事業構造改革で M&Aはできませんでしたが、今期以降はしっかりと進めます。ただし、以前のような多角化ではなく、現在のポートフォリオ内、すなわちDX、人材、TCG、インキュベーション事業に関連のある領域に絞ります。シナジー効果が高い企業を厳選し、既存事業の強化と対象会社の成長を大前提として進めます。
【質問2】
現在の株価について、考えを教えてください。
【回答】
割安と思っています。高配当を出していた時期は700円〜800円台、以前には1,300円台後半の水準の数値がでていたこともありました。この1年間は前期の過去最低決算と事業構造改革により、不透明な経営成績に見えていたと思います。株価を上げていくには、業績の向上、配当、株の価値向上に尽きます。これらを実行することで、株価はついてくると考えています。
【質問3】
今後の成長戦略について、M&Aによる成長を抱えている企業が多いですが、考えを教えてください。
【回答】
成長戦略は両輪です。特にDX事業を大きく伸ばします。SaaS 市場の拡大傾向、大企業(特に金融業界)のお客様のIT投資増加を背景に、サービスとDX人材の供給を通して、ストック収益の拡大を目指します。このDX事業に関連する企業をM&Aすることで、成長の速度を加速度的に進めていきたいと考えています。
【質問4】
先日提示された中期経営計画 2026-2028 について、達成するための最も鍵となる施策を教えてください。
【回答】
数字として最も大きな鍵となるのは、やはりM&Aです。これまで30件を超えるM&Aの経験があります。過去の失敗点を反省し、成功点を活かしてM&Aを成功できるように進めていきたいと思います。
【質問5】
今後の成長に向けた注力分野、新規領域への設備投資やM&Aなどを検討されていますか?具体的な計画があればお伺いしたいです。
【回答】
注力分野は、AIです。私たちがこれまでに開発してきた多くのソフトウェア(SaaS、企業向け専用アプリなど)にAIを組み込むことで、サービスのバリューアップとコスト効率の向上を図ります。投資していくものは、インフラとネットワークです。特にAmazon Web Services (AWS) 社とのパートナーシップをさらに強化し、連携を通じて設備投資とM&Aを進めていく計画です。
【質問6】
スカラが競合として意識されている企業を教えてください。また競争優位性について教えてください。
【回答】
事業ポートフォリオが広いため一概には言えませんが、売上が大きいDX分野では、営業で競合となることが多い、テクマトリックス社、PKSHA Technology社、プラスアルファ・コンサルティング社などを意識しています。これらの企業はストックアップでかなり価値を上げられているので、私たちも意識して進めていきたいです。競争優位性は、ITだけではなく人材の力を非常に持っている点です。SaaSにBPO(コールセンター等)や運用を合わせたB-PaaSモデルを確立し、「人とテクノロジーの知恵を融合」させます。人とIT、そこにAIを絡めたパッケージにより、他社に負けない優位性を打ち出していきます。
【質問7】
特定子会社の株式譲渡に伴い特別損失が計上された件について、今後のリスク管理や再発防止策をどのように構築されていますか?
【回答】
減損によるリスクを最重要視しています。再発防止策としては、減損をしないように子会社の事業を管理していくことに尽きます。監査法人との対話を進め、四半期ごと、それ以外にも月次の分析を行い、予算PLとの乖離を常に確認し、減損リスクの管理を徹底しています。また、株式譲渡については、簿価よりも高い水準での売却を意識することで、特別損失の発生を防ぐことにつながると考えます。
【質問8】
成長における鍵の1つとして、人材採用・確保がありますが、現在の進捗と特に課題とされている点について具体的に教えてください。
【回答】
エンジニアの人材確保は必須です。専門の採用部門を設けており、その部門を中心にあらゆる情報収集を行いながら、確実にエンジニアの採用はできています。課題は、激化する採用競争への対応です。給与・報酬面や福利厚生面などの採用条件を引き上げ、企業努力として競争優位性を高めていくことで、優秀な人材を獲得し、事業を推進していけると考えます。